ニューヨーク生活20年で経験してきた様々な実話集。 好きだから別れるしかなかった。そして別れてから始めて気づく事。新連載スタート。
それでもやっぱりニューヨークが好き
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人生のターニングポイント 28
2008年 08月 01日 (金) 16:27 | 編集


その後、お母さんに会った時、




「アレックスの彼女の事、どう思いました?」




と聞かれたので、




「びっくりしましたよー。
 アレックスの彼女ってC子さんにそっくりじゃないですか。」




と答えると、




「やっぱりそう思いましたか…
 私も何となくC子の面影がある人だなって思ってたんです。」




「あの時、あんまりびっくりしちゃったもんだから、
 ろくに話もしなかったのでじっくり彼女の顔は見てないけど、
 一瞬C子さんがいるのかと思ったくらい似てましたよ。」




「アレックスの好みのタイプってことなのかしらね。」




「まぁ、それも多少あるでしょうが、
 それよりも彼女がC子さんに似てたから、
 アレックスは彼女の事が好きになったんじゃないですか?
 そう思うとアレックスは本当にC子さんの事が好きだったんだと思うし、
 彼もC子さんがいなくなって寂しかったんですよ。」




「そうよねぇ…。
 それにね、言葉が通じないからよくわからないけど、 
 何となく性格もC子に似てるような気がするの。」




「そうなんですかー。
 何だかいろいろC子さんと共通点がありますね。」




「そうなのよ。 それにね、彼女も一人娘らしいの」




「家族構成まで同じだなんて、何だかすごい奇遇ですね!」




お母さんとアレックスの彼女の話をしながら、
二人の間にこんなにいろいろ共通点があるなんて、
これも何かのめぐり合わせだと思いました。



お母さん達もアレックスの彼女がC子さんと見た目も性格もまったく違うよりも、
C子さんに似たタイプのほうが受け入れやすいだろうと思って安心しました。



後は時間が徐々に、
アレックスとC子さんのご両親の間にある溝を埋めてくれるだろうと思いました。



でも現実は、この共通点の多さが却って問題を大きくし、
彼らの間にある溝を埋めるどころか、
修復不可能な状態にさせるきっかけになるとは、
その時は知る由もありませんでした。





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人生のターニングポイント 29
2008年 08月 03日 (日) 17:24 | 編集


それからしばらくしてお父さんから電話があり、
いつも通りの会話をした後、
お父さんはおもむろに、




「アレックスはやはり曲者ですよ。」




と再びアレックスの話を持ち出しました。



一瞬、またアレックスの事かぁ… と、少し気が重くなりながらも、




「また何かあったんですか?」




と聞くと、




「ヤツの計画がまた始まったんだ。」




と、お父さんは突然言い出しました。




「計画って?」




「アレックスの彼女の事ですよ。」




計画? アレックスの彼女の事?



もしかして前々からいつの日かそういう日が来るんじゃないかと、
密かに私が危惧していたお母さんの追い出し作戦を、
遂にアレックスとアレックスの彼女が手を組んで始めたのか?



と思いながら、




「アレックスの彼女がどうかしたんですか?」




と聞くと、




「いや、アレックスの彼女がどうこうしたって訳じゃなくて、
 彼女も一人娘なんでしょ?」




「そうらしいですね。」




「C子と同じなんですよ。」




「そうですよね…」




話の意図が見えなくて困惑していると、
お父さんはさらに、




「前回ニューヨークにいる間に調べたんですが、
 アレックスの彼女の父親は医者でかなり裕福らしいんです。」




「へー、そうなんですか。」




「裕福な家庭で大切に育てられて、
 人を疑う事をあまり知らない性格なんでしょう。
 C子のように…
 そういうタイプの女性を落とすのにアイツは長けてるんです。
 これはすべてヤツの計画なんです。
 アレックスの彼女もC子と同様に騙されているんです。
 アイツが狙っているのは彼女の父親の財産です。
 だから今回もC子と同様、一人娘である彼女を選んだんでしょう。」





「ヤツはC子の時のように、
 うまく財産を手に入れようと計画してるんです!」





と、突然私にとって寝耳に水の話をされて、




「いくらなんでもアレックスがそこまで考えて行動してるとは思えませんが…」




と言うと、




「いや、ヤツならやりかねない。
 初めて会った時からずっと胡散臭いヤツだと思ってた。
 C子の事もすべて彼の計画だったんだ。」




「でもC子さんは突然の病気だったんだし…」




「財産を得るのに何も殺人を犯す必要はないですからね。
 それに病気になったのはたまたまだとしても、
 彼があの時、C子の為に最善の方法を取ったとは到底思えない。」




確かにC子さんが病気になった時、
最初に行った病院できちんとした手当てをして貰えていたら、
死ぬことはなかったのかもしれない。



実際同じ病気でも助かっている人はたくさんいる。



それにインフルエンザだと誤診されたせいで手遅れになった割には、
何故アレックスがその事に関して何も言わないのか私も疑問に思っていました。



それまでお父さんの事を尊敬し信頼していた私は、
どこかでお父さんが言ってる事を信じたいという思いがあり、
お父さんの考えを肯定できるような出来事をいろいろ頭に浮かべていました。




でもそれと同時に、女性関係で多少問題があったとしても、
それ以外では関心するほど頑張っていたアレックスも見てきたので、





いくらなんでもお父さんの考え方は飛躍しすぎてないか?





という思いが捨てきれませんでした。



そして月日が経ってもアレックスへの憎しみを消化させるどころか、
ますます増幅させていくお父さんに対して、
この時初めて漠然とした不安を感じ、
その不安を切っ掛けに、
一気に私とお父さんの歯車が狂い始めました。
 




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「人生のターニングポイント 30」へ行く




人生のターニングポイント 30
2008年 08月 05日 (火) 16:41 | 編集


それからというもの、
アレックスの事で頭がいっぱいなのか、
ビジネスの話をしても心ここにあらずという返答ばかりのお父さんに対して、
ある日業を煮やした私は、




「それで一体いつから本格的にビジネスを始められますか?
 私としては他に似たようなビジネスが増える前に、
 なるべく早く始めたいんですが」




と、ストレートに聞きました。



実際、私が始めてからというもの、
似たようなビジネスが増えつつあった実情に焦りを感じ始めていました。



するとお父さんは、




「資金額が大きいから、
 まだこっちでいろいろ処理しなくてはいけないことが残っているので、
 もうしばらく今のまま続けておいて貰えませんか?」




と言ったので、一抹の不安を感じながらも、
お父さんの準備ができるまで待つしかない私は、
その後もお父さんの言う通りにしました。



ただその後も一向にお父さんからビジネスの話をしてくることは無く、
連絡があってもアレックスの事か、
お母さんとアンナちゃんに関しての事ばかりのお父さんに対して、
日に日に不満を感じ出していた私は、





お父さんは本気でビジネスをやる気があるのか?





と、少しずつ疑いの気持ちが出てきました。



そんな状態の時にお父さんがいくらアレックスの話をしても、




またか…




という思いが先走り、
お父さんの話を親身になって聞いてあげる余裕が、
最早無くなっている自分がいました。





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人生のターニングポイント 31
2008年 08月 06日 (水) 17:25 | 編集


それからしばらくして、アンナちゃんの学校が夏休みに入ったので、
お母さんはアンナちゃんを連れて2ヶ月間日本に帰る事になりました。



日本に経つ日、
アレックスは用事があって空港まで送れないとの事だったので、
私がアパートまでお母さん達を迎えに行き、
一緒に空港に向かいました。



空港まで向かうタクシーの中で、
お母さんにお父さんの本心を聞いてみようかと思いました。



でも以前からお母さんは、
お父さんのビジネスに関してはまったくわからないと言っていたので、
私とお父さんのビジネスに関しても良く知らないかもしれないと思い、
お母さんに相談するのはやめました。



空港でお母さんと別れる時、




「これ、帰りのタクシー代。 それからこれで何か美味しい物でも食べてね。」




と言って、無理やり私にお金を握らせ、
笑顔で去って行くお母さんを見て、




お母さんは私よりずっと大変な境遇なのに、
文句も言わず頑張っているんだから、
私も立ち止まらないでちゃんと頑張らなくちゃ。




という気持ちになりました。



そして二人が見えなくなるまで見送った後、
新たな決意とともに、
少し軽くなった足取りで家路につきました。




しかし、




この時の私は、
この空港での別れが、
お母さんとアンナちゃんとの本当の別れの日になるとは、
夢にも思ってもいませんでした。





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「人生のターニングポイント 32」へ行く




人生のターニングポイント 32
2008年 08月 08日 (金) 00:35 | 編集


お母さんたちが日本に戻って何週間か経った頃、
突然アレックスから電話がありました。



アレックスが私に何の用事だろう?



と思いながら、




「ハイ、アレックス。 元気にしてる?」




と挨拶をすると、アレックスは今にも泣き出しそうな悲痛な声で、




「お父さんから何か聞いてる?」




といきなり聞いてきました。



その普通じゃない声色から不安を感じながらも、




「え? 別に何も連絡ないけど、何かあったの?」




と言うと、




「何も聞いてないのか…
 
 僕も一体何が起きたのかぜんぜんわからないんだ。
 
 どうしたら良いのかもわからなくてukainouさんに連絡したんだ。
 
 というのも、この間お父さんから突然手紙が来て、
 日本語だったので読めないから翻訳会社を使って訳して貰ったんだよ。
 
 そしたらその内容が…




 あなたは契約違反をしたので、
 ○月○日をもって報復措置を開始する。





 という内容だったんだ。

 一体僕が何をしたっていうんだろう?

 報復措置って一体お父さんは何をするつもりなんだろう?
 
 もう訳がわからないんだよ。

 それでさっき翻訳会社から紹介して貰った通訳の人を交えて、
 3人で電話で話したんだ。

 でもお父さんは僕が契約違反をしたから、
 その誓約書に書いてあったように、
 報復措置を開始するだけだと繰り返すだけなんだ。


 一体僕はどうしたらいい?


 ukainouさん、助けて下さい!




とアレックスは一気に話しました。



私にとってもその話はとてもショックで、
お父さんがどんな思惑でそんな行動に出たのかまったくわかりませんでした。



それにいつもならアレックスの事に関しては私を通して話をしていたのに、
今回は私に何の連絡も無く、
突然こういう行動に出たお父さんの意図がわかりませんでした。



確かに私はアレックスとの揉め事に
できればこれ以上関わりたくないと思っていたので、
お父さんはそれを敏感に感じ取って、
私を巻き込まないためにそうしたのか。



それともお父さんはアレックスと共に、
私とも今後の関係を絶とうとしているのか。



考えれば考えるほど不安ばかりが大きくなっていきました。



アレックスには、




「私も今は一体何が何だかわからないので、
 取り合えず今日お父さんに電話して詳しい事を聞いてみるので、
 それからまた連絡します。」




と言って電話を切りました。



電話を切った後もそのまま考え込んでしまい、
今、お母さんもアンナちゃんも日本にいる状態で、
お父さんがするかもしれないアレックスに対しての報復措置と言えば、
このままアンナちゃんをアメリカに帰さない事なのかと思いました。



でもそれをするといくら家族間であっても誘拐になってしまうので、
まさか犯罪を犯すことはないだろうとは思いつつ、
今の状態のお父さんじゃ何でもありえる様な気もしていました。



お父さんがアレックスに対して持っている憎しみは、
私の想像をはるかに超えていて、
その尋常じゃない憎しみによって、
すでにお父さんは物事を冷静に判断できない状態にあるのかもしれないと思いました。



物事を冷静に判断できない状態であるという事は、
同時に私とビジネスを始める事も不可能なわけで、
それを考えると体中の力が抜けてしまい、
しばらくその場から動けませんでした。





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人生のターニングポイント 33
2008年 08月 09日 (土) 00:10 | 編集


しばらく考え込んだ後、
とにかくお父さんと直接話をしてみない限り何もわからないと覚悟を決め、
お父さんに電話することにしました。



最初は自宅にかけてみましたが誰もいないようだったので、
お父さんが昔出資した会社のほうにいるかもしれないと思い、
そこにかけてみることにしました。



そこの社長であるEさんもお父さんの投資によってビジネスを始められた方で、
以前から何度か電話とメールで話した事があったので、
もしお父さんがそこにいなかったとしても、
何気なくEさんにお父さんの事について探りを入れてみようと思いました。



そして電話をかけるとEさんが直接電話を取ったので、
お父さんがそこにいるかどうか聞いてみると、
近くにいるようだったので電話を代わって貰いました。



お父さんは予想に反した明るい声で、




「ukainouさん、お久しぶりです!
 ご無沙汰しちゃってすいません。
 私も連絡しないといけないなぁってちょうど思っていたんですよ。」




と言いました。
多分お父さんはまだ私が何も知らないと思っていたのでしょう。



さすがにいきなり本題を話すのには抵抗があったので、



「さっき自宅に電話したんですけど、誰も家にいないみたいですね。
 アンナちゃんとお母さんは元気にしてますか?」



と聞くと、



「今、二人とも東京に住んでる親戚の家に遊びに行ってるですよ。」



と言いました。


と言うことはお母さんたちが家にいない間に事を始めようとしてるのかもしれない。

もしそうならお母さんは今回の件に関して知らない可能性が高いなと思いながら、




「実はさっきアレックスから電話があって…」




と言い出すと、すべてを察したようで、




「あぁ、彼は何て言ってました?」




と急に声のトーンが低くなりました。




「お父さんから突然手紙を貰って、
 どういう意味なのかわからないので、
 私からお父さんに聞いて欲しいって言われました。
 アレックスはとても動揺していましたよ。
 一体何があったんですか?」




と聞くと、お父さんは、




「話が長くなると思うので、電話代もかかるだろうから、
 今から自宅に戻ってこちらからすぐにかけ直します。」




と言って電話を切りました。





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「人生のターニングポイント 34」へ行く




続きは日本から…
2008年 08月 09日 (土) 14:06 | 編集


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続きかな?って思って来て下さった皆様方、

ごめんなさい!

ギブアップです!





ここ数日、アクセス数が急激に増えて、

たくさんの人達が応援クリックして下さってるので、

できればその皆様の期待に応えて今夜続きを書きたかったんですが、

実はまだ掃除中で、

パッキングはまったく手付かずです!!

毎年の事ながら何でラストミニッツになって焦る羽目になるんでしょうねぇ(自業自得だけど)。





言い訳はこれくらいにして、

結局日本に発つ前に今回の話を完結できなくて申し訳ございませんでした!!

お詫びに飛行機の中で頑張って完結させて、

日本に着いたらすぐに更新できるようにしておきますね!(多分…)





はぁ…それにしてもパッキングするのが面倒臭いです。





それではいつも読んで下さってありがとうございます!!

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無事到着!
2008年 08月 10日 (日) 23:05 | 編集


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無事少し前に実家に到着しました!





毎年何かとトラブルが起きる帰国ですが、

(チェックイン時にパスポートが切れていた事に気づいたり、

 飛行機に乗り遅れたり、財布を忘れて一文なしでの帰国になったり、その他いろいろ)

今年は自分でもほんまかいな?って思うほど何事もなくスムーズに成田まで着いたんですが、

成田で国内便にチェックインして搭乗ゲートで待ってる時に、

さっきまで乗っていた飛行機に化粧ポーチを忘れてしまっていた事に気づきました!





慌ててスタッフの人にあちこち問い合わせて貰って、

飛行機の中を探して貰い、

国内便に乗る寸前に持って来ていただけました!

値の張る物じゃないけど、

化粧道具がないと明日から困る所だったので良かったです~。

JALのスタッフの皆様方、どうもありがとうございました!





それにしてもJALの飛行機が新しく機能アップされていて、

去年と比べてテレビのスクリーンは大きくなってたし、

映画やテレビ番組の数がびっくりするほど増えていました。

しかも今までのように映画が始まる時間が決まっていなくて、

(途中から映画を観るのが嫌なので、結局いつもほとんど観なかった)

いつでも自分の好きな時に映画が観れるようになってました。

それも早送り、巻き戻し、一時停止までできたので、

ついつい夢中になって観てしまいました。





その上、ゲームの機能もアップしていて、

同じ機内にいる人達と対戦ゲームができたり、

私の大好きな麻雀まであって、

ついついはまってしまいました。





って何をこんなに必死になって書いてるかというと、

お世話になったJALの宣伝をしたい訳じゃなくて…



ごめんなさーーーーい!



新しい機能に夢中になって、

お約束していた最終回が完結できませんでしたーーーー!!!





一応頑張って半分は書いたんですが、

途中から集中できなくなっちゃって…





出発前夜もパッキングでちょっとしか寝てないし

機内でも一睡もしてないので、

今夜はエクスキューズのみで失礼させていただきます…





また頭がすっきりしたら機内で書いた分だけでもまとめて、

なるべく早くアップするようにしますね。





それではとりあえずご報告まで!






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人生のターニングポント 34
2008年 08月 11日 (月) 23:56 | 編集


それからすぐにお父さんから折り返しの電話があり、
電話を取るや否や、




「それでさっきの話の件ですけど、
 どういう意味でアレックスに手紙を送ったんですか?」



と聞くと、



「前にも少し話したと思うんですが、
 僕はアレックスとC子の結婚を許すにあたって、
 アレックスとある誓約書を交わしているんです。

 アイツの事は最初から信用していませんでしたからね。

 C子と結婚した後、もしその誓約書に書いてある事を破れば、
 私は必ず彼に対して報復処置をするというものです。

 だから僕はただ、僕がすべき事を実行しようとしているだけです。」




「アレックスがその誓約書に書かれている事を守らなかったって事ですか?」




「そうです。」




「その誓約書ってどういう内容なんですか?」




「C子との結婚を許すにあたって、
 アレックスが守らなければいけない約束事を決めました。
 内容は大雑把に言うと、もしC子を不幸にしたら報復措置をするというものです。」




「確かにお金の事や女性の事で、
 アレックスに対して不信感を持つ気持ちもわかりますが、
 C子さんが幸せだったかそうじゃなかったかなんて、
 本人にしかわからない事じゃないですか。
 そんな不確かな事に対して、報復措置をするというのもどうかと思いますが…」




「誓約書の中には細かい取り決めがあるんです。
 アレックスは明らかにそれらに関して反しています。」




「そうなんですか… 
 でもC子さんが亡くなってから今まで何とかうまくやってきたのに、
 ここでアレックスと険悪な関係になったら、今後どうするつもりなんですか?
 お母さんだってもうアレックスと一緒に住めなくなりますよ。」




「ちゃんと考えはあります。」




「考えがあるって、
 まさかこのままアンナちゃんをアメリカに帰さないって事じゃないですよね?」




「それも一つの選択ですね。」




「それは絶対駄目ですよ。
 いくらお孫さんだと言ってもそれは犯罪ですよ」




するとお父さんはフフッと小さく笑った後、




「僕なら大丈夫です。

 アレックスには絶対負けませんから。 」




「いや… 勝ち負けもの問題ではなくて、
 アンナちゃんの親権がアレックスにある以上、
 お父さんが何をどうやっても、
 このままアンナちゃんをアメリカに帰さないという行為は紛れも無く誘拐であって、
 犯罪になってしまいますよ。
 私はお父さんに犯罪を犯して欲しくはありません」




私はお父さんが犯罪を犯す事だけは絶対に止めさせなきゃいけないと思い、
必死になって言いました。



でも私がどんなに説得しようとしても、
悲しくなるほどお父さんの心には何も響きませんでした。


そして、



「僕はね、政治の世界にもたくさん知り合いがいるんです。
 国際法に詳しい人もいます。
 そんな人達に今回の行動を起こす前に事前に相談したんですよ。
 彼らに聞いたんですが、アレックスのような人間って他にもたくさんいるようですね。
 相談した人達は皆僕の意見に賛同してくれて、
 きっと僕が勝つだろうと言ってくれました。」




「‥‥‥」




それまでお父さんは地元の有力者だとは聞いていましたが、
政治の世界にまで知り合いがいるとは聞いてなかったし、
もし仮に本当に知り合いがいたとしても、
この状態でお父さんが勝つなんて言う人はいないと思い、




「そうなんですか…」




と生返事をしたまま、
それ以上何の言葉も出て来なくなるほど、
頭の中は混乱していました。




するとお父さんは私が疑いを持った事に気づいたからのか、
私にとってはさらに追い討ちをかけられるような事を言い出しました。




「北朝鮮の拉致被害者が開放されたニュース知ってますよね?」




何でここで北朝鮮の話が出てくるんだ?と思いながらも、




「は、はい…」




と答えると、




「あのシナリオを考えたの僕なんだ。」





「???」





「僕が拉致被害者の解放に向けて、
 どういう風に金正日国防委員長との交渉を進めて行くべきかシナリオを考えたんだ。
 そして小泉はその僕のシナリオに沿って実行して成功したんだ」




それを聞いた瞬間、


それまでの疑惑が確信に変わり、





すべて終わった…





と、頭の中が真っ白になっていきました。




いくら何でも小泉首相が、
お父さんが作ったシナリオに基づいて外交政策を行うなんて有り得ないので、
お父さんはC子さんを突然亡くした悲しみと、
アレックスに対する憎しみのせいで、
とうとう心が壊れてしまったに違いないと思いました。



その後も長々と続いたお父さんの話を上の空で聞きながら、
それまで私なりに頑張って築いてきたものが、
足元から一気に崩れ落ちて行く感覚に襲われました。



そんな私の気持ちを知ってか知らずか、
お父さんは突然優しげな声で、




「ukainouさん、こんな話をして正直怖いでしょ?
 僕もこれ以上ukanouさんを巻き込んだらいけないとも思っているんです。

 だからすべてはukainouさん次第です。

 僕から立ち去るのも去らないのも…


 ukainouさんが自分自身で考えて決めて下さい。





と言い、

すべての選択は私に任せられました。





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「人生のターニングポイント 35」へ行く




人生のターニングポント 35
2008年 08月 13日 (水) 08:02 | 編集


お父さんから立ち去るのも去らないのも私次第と言われても、
お父さんが精神的に異常を起こしているのなら、
今後お父さんとビジネスをする事は不可能。



もし仮に正常だったとしても、
私にこんな有り得ない話をしたという事は、
お父さんは私が自ら彼の元を去るのを望んでいるのかもしれない。



もしそうだとしたら、
彼はもしかして最初から私とビジネスなんてするつもりはなくて、
私をうまく利用する為に、目先にニンジンをぶら下げられた馬のように、
ビジネスという餌を持ち出していただけなのか?。




私はお父さんに利用されていただけなのか?




お父さんが正常なのか異常なのか、
本当の所はどっちなのか私には判断できないけど、
どっちにしろこれ以上、
実際やるのかやらないのかわからないビジネスを期待して、

こんな異常なまでの憎しみと関わるのはうんざりだ!




と、それまで徐々に積み重なっていた不満が一気に爆発してしまい、
お父さんの気持ちを思いやってあげる余裕の一欠けらも無くなっていた私は、




「報復措置がどうだとか、
 さすがにもう私の許容範囲を超えました。」




「ビジネスだって結局やる気があるのかどうかもわからないし、

 とにかく今後これ以上、
 こういうゴタゴタに関わりたくないです。





と言い切りました。




それを聞いたお父さんは、寂しげにも感じられる声で、




「そうですか…
 ukainouさんの気持ちはよくわかります。
 今までいろいろ嫌な事に巻き込んでしまってほんとに申し訳なかったです。

 ビジネスの事も不安にさせてしまって申し訳なかったです。

 でもビジネスに関しては今すぐは無理にしても、
 必ずやるつもりなので時間を下さい。」




と言いました。




時間を下さいと言われても、すでに2年近く月日が経っていて、
一体これ以上待って何の進展があるのかと、
最早お父さんの事が信用できなくなっていた私にとって、
それは難しい話でした。





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「人生のターニングポイント 36」へ行く




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