ニューヨーク生活20年で経験してきた様々な実話集。 好きだから別れるしかなかった。そして別れてから始めて気づく事。新連載スタート。
それでもやっぱりニューヨークが好き
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愛と憎しみ 「私とEX (元夫) 26 」
2009年 03月 08日 (日) 18:52 | 編集

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その日、ナオキといろんな話をして、
彼も数ヶ月前までEXと同じ国出身の女性と付き合っていた事を知り、
思わぬ共通点にその話題で大いに盛り上がりました。



ナオキと楽しく話しながらも、
心の奥ではずっとEXの事が引っかかっていていました。



EXの浮気を確信しながらも、
それを信じたくない自分もいて、
これは何かの間違いであって欲しいと心のどこかで願っていました。



ふと、時計を見ると、もうすぐEXのバイトが終わる時間帯でした。



それに気づいた私は居ても立ってもいられなくなり、




「もう遅いからそろそろ帰るね。」




とナオキに言って立ち上がりました。



心配そうな顔をしたナオキが、




「途中まで送るよ。」




と言ってくれましたが、
EXの仕事が終わる前に電話をしたかった私はそれを断り、
ナオキを残して急いで店を出ました。




もしかして今日もEXはバイトに行ってなくて、
今も女と一緒にいるのかもしれない。





そう思い出すと気分が悪くて倒れそうになりながら、
途中で見つけた公衆電話からEXに電話をかけました。




「○○○(EXの名前)をお願いします。」



「ちょっと待ってて下さい。」



「ハロー。 ukainou? 」




あ、いたんだぁ…
安心感から一気に体の力が抜けました。




「今日学校に来なかったの? いなかったみたいだけど。」



「…その事で話したい事があるんだけど、もうすぐ仕事終わるの?」



「うん。 話って?」



「とにかく近くまで来てるから、今からそっちに行くわ。」



「OK」




そして彼のバイト先に着いたけど、
そこで気まずくなるのは嫌だったので、
中には入いらないで外から彼が仕事をしているのを眺めていました。



楽しそうに仕事をしている彼を見ていると、
どうしようもないくらい彼の事が好きな自分に気づき、涙が溢れてきました。



私が傷ついてる姿を見てあんなに後悔して、
二度と私を裏切らないと約束したのに、
本当に彼はまた私を裏切っているのであろうか。



いつもあんなに優しい彼が、
同時に私を傷つけるような事を本当にしているのであろうか。



無邪気な笑顔で私を裏切る彼が憎くたらしい。
平気な顔で嘘をつく彼が憎たらしい。



それなのに… 



何で私はこんなに彼の事が好きなの?
気持ちがコントロールできない。
いっその事、すっぱり別れたい。
でも別れられない。 
すべて誤解だったらいいのに…



いろんな感情が自分の中でグチャグチャに絡まって、
自分でも一体どうしたいのかわからなくなっていました。



しばらくして私に気づいた彼が嬉しそうに手を振りました。



手を振り返さない私に訝しげな顔をしながら、
仕事を終えた彼は店から出てきました。




「どうしたの?」



「落ち込んでる…」



「え? どうしたの? 何かあったの? 
 学校でも探したんだよ。 どこに行ってたの?」



「…クリスマスイブの夜って、本当に仕事してたの?」



「え? 何で? もちろん仕事だったよ。」



「仕事っていうのは嘘で焼肉屋に行ってたんでしょ?」



「焼肉屋? それはukainouと一緒に行ったじゃん。 
 だから24日じゃなくてバイトの次の日だよ。 違ったっけ?」



「25日も私と行ったけど、24日も行ったんでしょ!!」





「女と!!!!」





「はぁ??? 行く訳ないじゃん。 
 いくら焼肉が好きだからってさすがに二日続けて行かないよー。(笑)」



「普通はね。  
 でもあなたが女とクリスマスイブの夜に焼肉食べてたのを見たっていう人がいるのよ!!!」



「はぁ? 一体誰だよ、それって。」



「サキっていう子だよ。」



「サキ??? そんなやつ知らないよ。」



「あなたは知らなくても彼女はあなたを知ってるの!」



「そんな僕が会った事もないやつの言ってる事を信じるの?」



「あなたの言い訳より確かでしょう。」



「一体ニューヨークにどれだけの人間が住んでると思ってるの?
 校内ならともかく、ただ見た事があるだけの人間の顔なんて、
 どっかのレストランで偶然会ったとしてもわかりっこないよ。」



「でも絶対にあなただったって言ってたよ。」



「僕に似たやつなんて五万といるよ。 僕はその日は仕事をしてたよ。
 イブの夜だったからはっきり覚えてるよ。」



「嘘だと思うんなら、今から一緒に店に戻って、マネージャーに聞いてみたらいいよ。」



そう言ってEXは私の手を取って店に連れて行こうとしましたが、
さすがの私も彼のバイト先のマネージャーに、




「クリスマスイブの夜、彼は確かにここで働いていましたか?」




何ていう質問は、イエスであってもノーであっても、
自分が惨めになるだけだったので聞きたくありませんでした。



結局、前回の洋服疑惑と同じく、
今回の焼肉疑惑も真実はわからないまま、
うやむやに終わってしまいました。



かと言って、彼への疑惑が晴れたわけではなく、
不信感は増すばかりで、
いつの間にか私は「束縛」という心の鎖でEXをがんじがらめにしようとしていました。





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爆弾発言 「私とEX (元夫) 27 」
2009年 03月 10日 (火) 23:06 | 編集

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この頃からEXは不審な行動が目立つようになりました。



バイトだと言っていたのに、
電話をしたら実際は働いていなかった日もありました。



家に電話をしてもいなくて、
どこで何をしているのかと考えると何も手につかなくなり、
彼が家に帰るまで何度も何度も電話をしました。



当然その日も何かしらの言い訳を聞かされましたが、
彼がバイト先にいなかったのは一度だけではありませんでした。



それから少し経ったある日、
いつもより早い時間帯に彼がバイト先から電話をかけてきて、
今日もいつもと同じ時間に終わると言いました。



仕事が終わる頃を見計らって電話をすると、
彼はすでにそこにはいませんでした。



恐らく私に電話をした直後に帰ったのか、
バイト先だと偽って他の場所からかけてきたのでしょう。



それまでは一度でもバイト先から電話があると、
安心して私からはほとんど電話をしませんでしたが、
そういう事があって以来、早い時間帯に電話があっても、
仕事が終わる頃に電話をかけるようになっていました。



ただ彼のマネージャーの手前、
仕事中に頻繁に電話をかけるのはさすがに気が引けたので、
不安で押しつぶされそうになると、直接彼のバイト先まで行って、
彼が本当に働いているのか自分の目で確認をするようになりました。



こうなってくると、まるでストーカーです。



人間、逃げれば追いたくなるもの。
そして追われれば逃げたくなるもの。




そんな関係がうまくいかないのは明らかで、
次第にに私とEXの関係はぎくしゃくするようになりました。



そんな不安定な状態の私を、
いつもさり気なく側で支えてくれていたのがナオキでした。



ナオキは頭が良かったので、
勉強を教えてもらいながらも、時々愚痴も聞いてもらっていました。



ナオキはいつも優しくて穏やかで、
同じ日本人というのもあってか、
彼と一緒にいるとホッとして安心できました。



ただ彼は私にとって良い友達でしかなく、
男としては一度も見た事はありませんでした。



そんなある日、私とナオキとその他数人の日本人仲間たちと、
学校の入り口付近で立ち話をしていると、
そのうちの男友達が私をからかい出しました。



「ukainouさんってさー。 その機関銃トークと関西弁何とかならないの?
 黙ってたら良い女っぽく見えるのに、
 しゃべり出したらいきなりお笑い系だよ!」



「どうせ、ほんまにお笑い系やからしゃーないやん!(笑)」



「いや、まじ、勿体ないよー。」



「標準語で話してこれ以上モテたら大変やからいいねん!」




突っ込まれ慣れてる私は皆の突っ込みを適当に面白しろ可笑しく返していると、
いきなりナオキが、




「でもukainouさんはそれだからukainouさんらしくて
 いいんだよ。
 ukainouさんの関西弁、僕は好きだよ。」





と言い出し、その場にいた皆が絶句しました。



日本人でこういう発言を皆の前でする人に会った事がなかったので、
私もナオキの発言にびっくりして、
うまく切り返す言葉が見つかりませんでした。



その後、当然その場にいた仲間に冷やかされてしまいましたが、
実は密に私はナオキのこの言葉に感動していました。



そしてこの日を境に、少しずつナオキの事を意識するようになっていきました。





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出口のない迷路 「私とEX (元夫) 28 」
2009年 03月 12日 (木) 18:38 | 編集

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それからしばらくして、突然EXは引越しをすると言いだしました。



場所は私のアパートの近くにある教会の敷地内にあるドミトリー。
男性用のドミトリーだから私は中に入れないし、電話もついてないとの事。



教会に男性用のドミトリーがあるなんて聞いた事が無かった私は、
EXの話に関して不信感が広がりました。



中に入れなくて電話もなければ、私から連絡を取る事は不可能です。
私の束縛に耐え切れきれなくなったEXの嘘じゃないかと疑いました。



彼の引越し先に関してはかなり揉めましたが、
結局たくさんの言い訳で丸め込まれ、
彼はそのまま引っ越してしまいました。



家が近くなった分、ちょくちょく会うことはできるようになりましたが、
引越しして以来、連絡したくてもできない状況に私の不安は広がるばかりでした。



EXと一緒にいる時は楽しくて幸せな気持ちになるけど、
離れると不安で気持ちが滅入る日々に嫌気がさしてきた私は、
出来る事なら彼と別れたいと真剣に思うようになっていました。



そんな不安定な状態だったけど、
ナオキのおかげで精神的に随分救われていました。



ナオキは誰の目から見ても明らかなほど、私に対してまっすぐでした。



体の調子が悪いと言えば、体に効きそうな物をいっぱい持って来てくれたり、
部屋が乾燥して喉が痛いと言えば、加湿器を買って持って来てくれたり、
何の気もなしに「これ可愛いな」と言った物を、
後でこっそり買ってプレゼントしてくれたりして、
私の心を暖かくしてくれました。



ナオキは他の日本人生徒たちとつるまない人だったので、
授業の合間、日本人が集まっているカフェテリアではなく、
EXがいるほうのカフェテリアにいつもいました。
もちろんナオキはEXもそのカフェテリアによくいるとは知らなかったんですが。



EXとの関係がギクシャクしだしてからというもの、
EXに会うかもしれないカフェテリアに行くのは気が進まなかったけど、
たまたまその学期はEXとは違う時間帯の授業を取っていたので、
EXと会うこともなく、ナオキとそのカフェテリアで話をしたり、勉強したりしていました。



そんなある日、いつものようにナオキとカフェテリアで話をしていると、
ふとどこからか視線を感じました。



視線のするほうを見てみると、
いつからいたのか、
少し離れたテーブルからEXがじっと私の事を見ている事に気づきました。



EXと目が合った瞬間、すぐに目を逸らしたけど、
心臓がドキドキして会話が上の空になってしまいました。




「ukainouさん、どうしたの?」



「あ、いや、あの… 実は彼がそこにいるのよ。」



「ukainouさんの彼氏?」



「うん…」



「行ってくる?」



「いや、行かない。」



「でも、落ち着かないでしょ? 出る?」



「うん、場所変えよう。」




そう言って、バタバタと帰り支度をして、二人でカフェテリアを出た瞬間、




「ukainou!!!」




と背後から大きな声で呼び止められてしまいました。


振り返るとEXが後を追ってきていました。




「何?」



「話があるんだ」



「何の?」



「とにかく来て」




動揺したままナオキのほうを見ると、




「ukainouさん、行こう。」




と言われました。




そうだ。 私はナオキと一緒に行くんだった。

ナオキと一緒に行かなきゃ。






そう思いながらも、







「……ごめん、先に帰ってて。」



とナオキに言って、EXのほうに向かって歩き出しました。





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お別れ宣言 「私とEX (元夫) 29 」
2009年 03月 14日 (土) 07:59 | 編集

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一人で去っていくナオキの後姿を見ていると胸が痛みましたが、
あの頃の私は自分の事で精一杯で、
ナオキの痛みまでケアできる状態ではありませんでした。



EXに近寄ると、彼は私の肩に腕を回して歩こうとしましたが、
私は即座にその腕を払いのけました。



すると彼は私の顔を覗き込むようにして、




「怒ってるの?」




と聞きました。




「別に怒ってるって訳じゃないけど…」



「さっきの男が気になるって訳?」



「何か、悪い事しちゃったなって思ってる。」



「何で君がそんな心配しなきゃいけない訳?」



「……」



「さっきの彼って君のボーイフレンドなの?」



「ボーイフレンドって訳じゃないけど…」



「でも彼が僕を見る目はそういうふうに感じたよ。」



「そうなんだ…」



「あいつの事が気になってるって訳? あいつの事好きなの?」



「好きかどうかまではわからないけど、気になってるのは確かだよ。」



「はぁ? あいつと付き合うつもりなの?」



「そうなるかもしれない。 
 彼はあなたと違って真面目だし、嘘もつかないし、
 私を不安にさせることもしないから」



「……」



「ここのところすれ違いばかりで、ukainouに寂しい想いをさせていたと思う。
 それは本当にごめん。
 今すぐは無理だけど、近いうちに引っ越しするよ。 
 そしたらまたもっと二人の時間が持てるようになるよ。」



「もういいよ。 
 どっちにしろ、私はもうあなたの事が信用できないの。
 そんな状態もしんどいの。」




そして私は今ここで彼と別れるべきなんだと、自分自身に言い聞かせて、





「やっぱり私たち、別れましょう。」





と決死の想いで言いました。



すると、しばしの沈黙の後、突然EXは私を抱きしめ、
私の耳元に囁くように話し出しました。




「ukainou、もう強がらなくていいよ。」



「不安にさせてごめんね。」



「言葉でなんて言おうが、ukainouが僕の事を好きなのはわかってる。
 そして僕も同じようにukainouの事が好きだ。」

 



「だから僕たちは別れられないよ。」





そう言われると、すべてを見透かされたようで腹立たしくて、
彼の腕を払いのけたい衝動に駆られました。



でもその想いとは裏腹に、
それまで強張っていた体の力が抜けていき、
まるで安住の地に戻ってきたかのように、
彼の腕の中で私の心は穏やかになっていました。





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ハプニング 「私とEX (元夫) 30 」 へ行く




ハプニング 「私とEX (元夫) 30 」
2009年 03月 16日 (月) 17:12 | 編集

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次の日、結局すべてがうやむやのまま、
何となく気まずい思いで学校に行きました。



教室に入ると、ナオキがいつもの笑顔で迎えてくれました。




「昨日はごめんね。」



「そんなの気にしないで。 彼と話したかったんでしょ?」



「うん、まぁ…」



「でね、彼に別れようって言ったのよ。」



「そうなの?」



「でもまぁ、そう簡単ではないわ。」



「そっか…」




その後、それとは関係のない当たり障りのない会話をして、
その話はそれで打ち切りました。



ナオキと私はその日以来、
EXがいるカフェテリアには行かず、
日本人が集まっているほうのカフェテリアに行くようになりました。



そこでナオキやその他の日本人学生たちと過ごすのも楽しくて、
EXに対する精神的依存率も再び減りつつありました。



それから数週間経ったある日、
ちょっとしたハプニングで、私は急にその日のうちにニュージャージーの奥地に行かないといけない用事ができました。



でもニュージャージーはニューヨークと違って公共の交通機関が発達していないので、
どうやって目的地まで行ったらいいのかわからなくて途方に暮れてしまいました。



焦った私は一緒にいたナオキに、




「もう時間もないし、これから彼に車で連れて行ってもらえるか聞いてみるわ。」




と言いました。



するとナオキは意外にも、




「彼に頼まないで。 僕が何とかするから」




と、真剣な表情で言いました。



それまでのナオキのイメージから、
そんな言葉が出てくると想像していなかった私は一瞬びっくりして、




「あ、う、うん… 
 でもどうやって行くのかぜんぜんわからないし、 時間もないよ…」




と言うと、




「30分だけ時間ちょうだい。 調べてすぐに戻ってくるから。」




と言って姿を消しました。



インターネットのない時代だったので、
道順一つを調べるのも大変だったのに、
ナオキは30分もしないうちに戻ってきました。




「わかったから、今すぐ行こう」



「本当に大丈夫? 5時までに間に合う?」




「心配しないで。 絶対間に合わせるから!」




そう言い切るナオキが何となく頼もしくて、
私はナオキの後をついて行きました。



ナオキはバスの乗り継ぎ時間も考慮して、
一番早く行けるルートを選んで、無事時間内に目的地に着きました。



役目を終えてホッとしたのか、




「あー、良かった! ほら、ちゃんと着けたでしょ?」




と自慢げに微笑むナオキを見ていると、
心が温かくなってきて、
もっとナオキと一緒にいたいと思いだしました。





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決意 「私とEX (元夫) 31 」 へ行く




決意 「私とEX (元夫) 31 」 
2009年 03月 18日 (水) 17:45 | 編集

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その日以来、ナオキと私は学校以外でもよく会うようになりました。



ナオキのお父さんは会社を経営していて経済的に余裕があるせいか、
ナオキはマンハッタンの便利な所にあるアパートに一人で住んでいました。



それにお金に余裕があるからなのか、
ナオキと外出すると、彼は絶対に私にお金を出させませんでした。



でも仮にもバイトしている私が働いていない彼に毎回払って貰うのも気が引けたし、
それ以外にも、彼はあまりにも自分の事より私の事ばかり気にかけているような気がして、その事が気になった私はある日、彼に尋ねました。




「ナオキってさ、いつも私の事気にかけてくれるやん。
 私が今どんな気持ちでいるのかとか、
 今何を必要としているのかとか、
 先回りして考えていろいろしてくれるのは素直に嬉しいんだけど、
 それに引き換え、私は何もナオキにしてあげてないなぁって思うと、
 ちょっと心苦しいのよねぇ…」



「そんなふうに思わないで。
 僕はukainouさんと一緒にいるだけで楽しいんだし、
 自分が勝手にそうしたいと思ってやってることだから。」



「それにね、これは僕自身の問題なんだ。」



「ナオキ自身の問題?」



「うん、そう。 実はね、日本にいた時に付き合ってた彼女にね、
 ある日突然別れようって言われたことがあるんだ。」



「あの頃の僕って忙しさにかまけちゃって、
 ちゃんと彼女の事見てあげてなかったんだ。
 だから突然別れ話されてびっくりしたよ。」



「僕にとったらあまりにも突然の出来事だったので、
 別れた後からああすれば良かった、こうすれば良かったって後悔しまくって、
 結構引きずっちゃったんだ。」



「だからもし次に好きな人ができたら、
 二度と同じような後悔はしたくないので、
 出来る限りの事をしようって思ってたんだ。」



「精一杯やって、それでも駄目だったら仕方ないって思えるしね。」




そう話すナオキはちょっと寂しそうで、
彼の優しさはそういった辛い経験から来ているのかと思うと、
切ない気持ちになりました。



それと同時に私は頭の中で計算を始めました。




ナオキは私の事をいつもまっすぐに見てくれている。
EXのような嘘はつかないし、浮気もしなさそう。
性格も温厚で優しくて問題なし。
責任感もあって頼りがいもある。
経済的にも恵まれているし、ケチじゃない。





ナオキとだったら幸せになれるかも。





頭の中の計算結果はそう出ました。



ナオキの事が好きなのかどうかわからなかったけど、
その結果に従って、私は彼と真剣に向き合っていこうと決めました。



それからはEXの事を考えない為にも、
時間があればナオキと過ごすようになりました。



バイトが終わってからもナオキの家に行くようになり、
彼の家にそのまま泊まることも多くなりました。



ただナオキはいつもソファーで寝ていたので、
一線を越えることはありませんでした。



実は私はEX以外の人と体の関係を持った事がなかったので、
ナオキとそういう関係になれば、EXの時と同じように、
自然にナオキの事が好きになるのだろうと楽観視していました。





ナオキと体の関係さえ持てば、
すべてうまくいくはず。






そう思った私は、自らモーションをかける事に決めました。





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気持ちの変化 「私とEX (元夫) 32 」 へ行く




気持ちの変化 「私とEX (元夫) 32 」
2009年 03月 20日 (金) 12:32 | 編集

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その週末の土曜日の夜、
バイト先で嫌な事があってむしゃくしゃしていた私は、
ナオキに愚痴を聞いてもらいたくて、
仕事が終わった後、そのまま彼のアパートに向かいました。



いつもの笑顔で迎えてくれたナオキに、一気に愚痴ってすっきりすると、
ナオキは私に向かって穏やかな口調で話し出しました。




「ukainouさんはすごいよ。 
 授業についていくだけでも大変なのに、
 仕事もやりながらフルタイムで授業取るのってなかなかできないよ。」



「でも、正直全教科完璧にやるのは時間がなくて無理だよ。
 そのうちの2,3教科は要領だけで何とかパスしてるって感じだよ。」



「それでもちゃんとパスしてるんだからすごいよ。」



「そっかー、私ってすごかったんやね!(笑)」



「ukainouさんを見てたら僕も頑張らないとなって思って、
 実はマスターを取る事に決めたんだ。」



「え??? そうなん???」



「ukainouさんも9月から○○大学に転校するんでしょ?」



「うん。」



「だから僕も9月から大学院に入ろうと思って準備しているんだ。」



「そっかぁ。 ナオキは日本の学位持ってるから、 
 こっちの大学卒業したってあんまり意味ないもんね。」



「本当は2年くらいこっちで勉強したら、日本に帰って働こうと思ってたんだけど、
 せっかくこっちにいるならマスター取ってもいいかなって思ってさ。」



「うん! それは良いアイデアだよ!! 応援するよ!」




私はナオキがこっちの大学を卒業するつもりがなかった事は知っていたので、
ナオキと付き合ったとしても、彼が帰った後の事を考えると不安でしたが、
しばらくこっちにいるつもりだとわかって安心しました。




これでもう何も問題はない。

後はナオキと体の関係を持ちさえすればすべてうまくいく。





そう思った私は、




「今日はバイト先で怒りすぎて汗かいちゃったから、シャワー借りていい?」




とナオキに聞きました。



それまで何度かナオキのアパートに泊まってたけど、
いつも明け方近くまでしゃべってそのまま寝ていたので、
彼のアパートでシャワーを浴びた事はありませんでした。



彼は一瞬驚いた顔をしたけど、




「え? あ、もちろん。 ちょっと片付けるから待ってて。」




と言って、私が使いやすいように片付けてくれました。




「悪いけど、何でもいいので家着も貸してくれる?」



「あ、うん、これでいい?」



「うん、ありがとう。」




シャワーを浴びて、彼の服を着てバスルームから出ると、
私も緊張していたけど、彼も心なしか緊張しているように見えました。



私が出た後、彼もシャワーを浴び、バスルームから出てくると、
私が座っていたソファーのテーブルを挟んだ向こう側に座りました。



それから長い間、他愛も無い話をし続けましたが、
テーブルを挟んだ距離から縮まる気配も無く、
諦めかけた私は、




「眠たくなってきたから寝ようっか。」




と言いました。 するとナオキは、




「そうだね、じゃ、電気消すね」




と言って、ベッドサイドのライト以外の電気を消し、
ソファーで寝る準備を始めました。



仕方ないので私もベッドに入り、
彼が寝る準備をしているのを眺めていました。




このままじゃ、今日も何も起きない。




そう思った私はナオキに、




「ナオキって写真のアルバムとか持ってる?」




と聞きました。




「アルバムかぁ… 
 あ、フランスに行ってた時に撮った写真ならアルバムに入れてあるよ。」



「それ見せて見せて。」




ナオキはアルバムを持ってきて私に渡しました。




「これはどこで撮ったやつ?」



「これは誰?」




そう聞くと、ナオキはベッドに寄り添って一つ一つ説明してくれました。



でも正直なところ、これからの展開ばかり気になって、
頭の中に何にも入らない状態でした。




やっぱりここで私から何か言ったほうがいいのか。

それともやっぱり相手の出方を待ったほうがいいのか。





どうしようか考えていると、
いつの間にかアルバムの最後のページになってしまいました。




「もっと見たい? それとも寝る?」



「まだあるの?」



「あるよ。 見る?」



「ん… どうしよっかな。」




そう言ってナオキの目を見つめると、




「やっぱりもう寝よう。」




と言ってナオキはベッドサイドのライトを消しました。



そして照れながらも、




「今日はこっちで寝よっかな。」




と言って私の横に入ってきました。





ナオキと私は友達の期間が長すぎて、
妙に恥ずかしくてやりにくかったけど、
取りえず私たちは無事一線を越えることができました。



ナオキは終わった後、照れくさそうにしながらも、




「愛してるよ。」




と言って、私の額にキスをしました。



日本語でそう言われると、英語と違ってまた妙に恥ずかしかったけど、
ナオキから直接言葉で彼の気持ちを聞いたのは始めてだったので、
嬉しくてスウィートな気持ちのまま眠りにつきました。






次の日の朝、
目覚めてから、ぼーっと窓のブラインドから漏れる光を見つめていると、
だんだんと虚しくて寂しい気持ちになり、
昨夜のあのスウィートな気持ちは一体どこに行ってしまったんだろうと思うくらい、
いつの間にか私の心は空虚感でいっぱいになっていました。



ふと、隣で寝ているナオキの顔を見ると、
突然、理不尽な怒りと嫌悪感が出てきて、
ベッドから飛び起きました。



その嫌悪感から逃れるように、慌てて身支度をしていると、




「何してるの?」




と背後からナオキに聞かれました。



突然の自分の感情の変化に混乱していた私は、
取り繕う余裕も無く、




「帰るわ。」




と、ナオキに背を向けたまま、
吐き捨てるように言ってしまいました。




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刃物のような言葉 「私とEX (元夫) 33 」 へ行く




刃物のような言葉 「私とEX (元夫) 33 」
2009年 03月 23日 (月) 19:57 | 編集

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「帰るわ。」



と吐き捨てるように言った私にナオキは、




「え? あれ? 今日…何か用事があるんだったっけ?」




と、まだ目覚めたばかりでよく回らない口調で言いました。




「…いや、特に何かある訳じゃないけど…」



「それじゃ、一緒に朝ご飯食べに行こうよ」



「でも… 着替え持って来てないし…」



「一日くらい着替えなくたって大丈夫でしょ? すぐに用意するから待ってて。」




結局ナオキにそう言い包められて、
そのままナオキと一緒に出かけました。



食事をしながらナオキと話しているうちに、
朝目覚めた時に感じた嫌悪感はなくなっていたけど、
どうしても何かが欠けている感覚が抜けなくて、
その日一日、上の空でナオキと過ごしました。



一線を越えさえすればうまくいくと思っていたのに、
感情というのはそんなに単純ではなく、
その日以来、ナオキに対する興味は一気に薄れていってしまいました。



そして意識的に他の友達と会うようにしたので、
ナオキと会う回数はめっきりと減りました。



そんなある日、同じ大学に通うA君から、
彼の自宅でやるパーティのお誘いがあったので、
私はA君の家に向かいました。



A君とナオキは仲が良かったので、
普段日本人のパーティに参加しないナオキもパーティにやってきました。



するとA君が、




「ほらほら、ナオキはここ!」




と言って、無理やり私の横にスペースを作り、
私の隣にナオキを座らせました。




もしかしてA君は私とナオキの関係を知っているのか?




そう思うと、A君の余計な気遣いに内心イラッとしました。



そしてパーティが終わって、
別れ際にアパートの外で皆でしゃべっていると、
突然、A君がタクシーを止め、




「ほら、ukainouさんはナオキと一緒に乗って!」




と皆の前で言いながら、私の背中を押しました。



皆に私とナオキの関係を知られたくなかった私は、




「私はクイーンズだから電車で帰るよ。」




と言いましたが、A君は、




「今夜はナオキと一緒に帰りなって! ナオキの家に泊まればいいでしょ?」




と言って私を無理やりタクシーに押し込めようとしました。



まるで公認のカップルみたいな扱いにムッとした私は、




「何で私がナオキと一緒に
 帰らないといけないの!!??」





と言ってA君の腕を振り払いました。



私の態度にA君は一瞬戸惑い、困った顔をしましたが、
彼の立場もナオキの立場も思いやれなかった私は、
怒りにまかせてそのままその場から立ち去りました。



するとナオキが追いかけてきて、




「ごめんね、気分悪くさせちゃった?
 Aはあれでも気を利かせたつもりだったんだ。」



「…っていうか、何でA君が知ってる訳? 皆に言いふらしたの?」



「言いふらしてなんかないよ。 ただAは友達だから…」



「…っていうかさ」





「一体いつから私とナオキは
 付き合ってるってなった訳???」





「私とナオキは付き合ってなんかないし!!!」




「そういう事、
 周りに言うのやめてくれないかな!!」






自分の言葉が刃物のように相手を傷つけているという自覚も無く、
ナオキの優しさに甘えてしまっていた私は、
自分の中に渦巻いてた怒りを、
何の罪もないナオキに向かって吐き出していました。




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新たな男の出現 「私とEX (元夫) 34 」 へ行く




新たな男の出現 「私とEX (元夫) 34 」
2009年 03月 25日 (水) 15:46 | 編集

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それからというもの、私はナオキと会うのを避けるようになりました。



ナオキも日本人が集まるカフェテリアに来なくなったし、
ちょうどその頃クラスも変わったので、
学校でナオキと会う事は無くなりました。



休み時間や放課後、ナオキと過ごさなくなった分、
カフェテリアで他の日本人学生たちと過ごす事が多くなりました。



ある日、そのカフェテリア仲間のうちの一人であるサトシ(仮名)と話していると、
ふと彼が、



「ukainouさんって、ナオキ君と付き合ってるの?」




と聞いてきました。




「え? 何で?」



「いや、よく二人でいるところ見かけたから。」



「ナオキはただの友達だよ。」



「そっかぁ、そうなんだ。 てっきり付き合ってるのかと思ってた。」



「最近、あんまり会ってないけどね。」



「それじゃ、ukainouさんって彼氏いないの?」



「うーーーん、いるようないないような… 別れようとは思ってるんだけどね。」



「もしかして○○人の?」



「そうそう、何で知ってるの?」



「何度か一緒にいるところ見かけたよ。」



「そっかぁ、でもいろいろあって別れようと思ってるのよ。
 だから誰か良い人いたら紹介してよーーー。」



「僕が紹介するんだったら、ukainouさんも紹介してよ。」



「サトシ君って彼女いないんだったっけ?」



「いるけど、事情があってこのセミスターは日本に帰ってるんだ。」



「あー、そう言えば見た事あるわ。 
 最近見ないと思ってたら日本に帰ってたんやね。
 それでいつこっちに戻ってくるの?」



「次のセミスターが始まる前かな。」



「そっかぁ、それで今のうちに羽伸ばしたいんだー。」



「羽伸ばしたいっていうか、
 実は彼女とこのまま付き合ってていいのかなって最近思い始めてるんだ。」



「そうなんだ。 それじゃ、私と同じだね。」



「そうだね。 それじゃ、お互い紹介し合うって事で、合コンでもしようよ!」



「合コン? いいねー。 
 実は私、こっちに来る前、渡航費用稼ぐ為にバイトしまくってたから、
 合コンってほとんどしたことなかったのよー。
 だからやってみたい! やろうやろう! 」




それからサトシと合コンの計画で盛り上がり、
一週間後、イタリアンレストランで4対4の合コンをやりました。



ただ、会に参加した全員、合コンというのものに慣れていなかったので、
いまいち盛り上がりの欠ける集まりとなってしまいましたが、
合コンを企画、決行しているうちに、私とサトシは急速に仲良くなりました。



カフェテリアでも二人で過ごす事が多くなり、
ある日、



「ukainouさん、今週末、僕とデートしてくないかな?」




とサトシに明るく誘われ、私も軽い気持ちでサトシと一緒に出かけました。



その日以来、私とサトシは学校外でも度々二人で会うようになり、
サトシからのアプローチも日に日に強くなっていきました。



サトシはナオキと違って背が高く、
体格もがっちりしていてルックスが良かったので、
ナオキと駄目だった原因は、
ナオキのルックスが自分の好みと違ったからだと思っていた私は、




もしかしたらサトシとならうまくいくのかも。




と、再び期待するようになりました。




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EXからの呼び出し 「私とEX (元夫) 35 」 へ行く




EXからの呼び出し 「私とEX (元夫) 35 」
2009年 03月 26日 (木) 17:50 | 編集

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そんなある日、
いつものようにサトシとその他の日本人学生たちとカフェテリアで話していると、
突然EXがやって来て、




「ちょっと話があるんだ。」




と呼び出されました。
EXの表情から只ならぬものを感じて、
動揺しながらもそれを悟られないように、




「ごめん、ちょっと行ってくるね。」




と言って、EXの後をついてカフェテリアを出ました。




「最近、電話してもぜんぜん家にいないけど、一体どこに行ってるの?」



「どこって… いろいろよ。」



「前、カフェテリアで会ったあの男とまだ会ってるのか?」



「彼とは最近は会ってないけど、今は別の人とデートしてるよ。」



「誰なんだ? そいつは???」



「誰だっていいやん。」



「あの男か??? さっきカフェテリアで一緒にいた奴か???」



「誰だっていいでしょ! 
 自分だって挙動不審な行動ばっかりで、一体影でコソコソ何をやってるのやら。」



「僕は何もやってない!! ただ仕事で忙しいだけだ。」



「よく言うよ。 私、何度かあなたが仕事してる日に電話したけどいなかったよ。」



「それは何かの間違いだ。
 シフトが急に変わる事もあるし、体調が悪くて休んだり、早めに帰った日もあったし。」



「…もうそんなエクスキューズどうでもいいの。」



「私は私の道を行くし、あなたはあなたの道を勝手に行って下さい。」



「僕と本当に別れるっていうの?」



「はい、そうです。」



「……わかったよ。」




そう言ったかと思うと、彼は突然私を抱きしめ、




「I love you.」




と言った後、私の元から去って行きました。





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まとめ
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