ニューヨーク生活20年で経験してきた様々な実話集。 好きだから別れるしかなかった。そして別れてから始めて気づく事。新連載スタート。
それでもやっぱりニューヨークが好き
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ICU体験記 Part.13 「最終話 再会」
2008年 05月 09日 (金) 22:12 | 編集


退院後、初めての検診で入院前に診てもらった脳の専門医に行く際に、
そこから私が入院していた病院はとても近いので、
帰りに病院にも寄ってお世話になった人達にご挨拶をしてこようと思いつきました。



その時に持っていく手土産は何がいいか悩みましたが、
結局無難に誰もが知ってるGODIVAのチョコレートの詰め合わせを二つ買って持って行きました。



脳の専門医に関しては一度しか行ってないので特に思い入れはなかったけど、
私の頭を手術してくれた先生がいればぜひ挨拶したいと思っていました。



ドクターオフィスに入ると、
受付にあの日私と一緒に病院まで付き添ってくれた女性がいましたが、
それ以来会ってないので覚えてないだろうと思っていたら、
私の顔を見た瞬間、



「あらー! すっごく元気そうじゃない!」



と、満面の笑顔で迎えてくれました。



挨拶を済ませた後、彼女に、



「○○先生はいますか?」



と聞くと、今日はオフィスにいないとの事でした。



「○○先生によろしくお伝えください。 それからこれ皆さんで食べて下さい」



と言ってチョコレートを手渡すと、
すごく嬉しそうな顔をして、オフィスにいるドクター達を皆呼んで来ました。



「これ、ukainouさんから。 彼女とっても元気そうでしょー?」



と彼女が言うと、呼ばれたドクター達も皆私を見て驚いていました。



そのドクター達の顔に見覚えがあったのでよく考えてみると、
病院で寝ていた時に起こされて目を覚ました時にいた人達で、
この人達と私の担当医とで手術方法を話し合って決めたのだったと思い出しました。



検診の結果は問題なし。



他に何か質問はないですかとドクターに聞かれたので、
ふと、以前から気になっていた事を聞いてみようと思い、



「このおでこにくっきり付いてる線は
 くも膜下出血の手術をした人は皆付くもんなんですか? 
 どうやってこの線って付いた…」



「あのね」



と、まだ質問が終わっていないのに途中で話を遮られました。



「あなたは本当にとっても危険な状態だったんですよ。 
 今こうして生きていて、それも何の後遺症も無かったのは不思議なくらいなんです。 
 あなたの子供たちと再会できたってことはとーーってもラッキーだったんですよ。 
 ほんとにあなたはラッキーだ!! 
 You are a very lucky girl !!
 ワーハハハ!
 それじゃ、See you next week~~」



と、話をはぐらかされてしまいました。



ただ私は何でかな?と思ったので聞いただけで、
仮に間違いでおでこに跡が残ったんだとしても、
あの状態でこうして元気になれただけでもありがたいと思っていたので、
命を助けてくれたドクターに対して、
そんなことでどうとか言うつもりなんてまーーったくありませんでした。



でもそこは訴訟社会アメリカ。
そんなことでも訴える人達がたくさんいるのでしょう。



途中で話を遮られて呆然としていると、
さすがにこんなあやふやな返答じゃまずいと思ったのか、



「手術に関する質問は執刀医以外は答えてはいけないルールになっているので、
 もし気になるなら執刀医のドクターとアポイントメントを取って、
 直接話をすることは可能ですが希望されますか?」



と言われましたが、



「あ、別にいいです」



と言って断りました。



ドクターオフィスを出た後、
そのまま私が入院していた病院に向かいました。



アメリカの病院では中に入る時にセキュリティーに写真付きのIDを見せるだけで、
中に入ってしまえば後は何のチェックもなく、
ICUの中に入る時も日本のように白衣を着たりする必要も無く、
そのまま勝手に出入りOKです。



ICUにいた間はずっとベッドの上で器具に繋がれたので、
立った状態でICUの中に入るのは初めてで、
何だか不思議な気分がしました。



ICUの前に行き、自動ドアが開くと、
まだそんなに時間はたっていないのに、
何だか懐かしい気持ちになりました。



ダブルビジョンじゃないクリアな視界で、
顔見知りの看護婦さんはいないかな?と辺りを見回すと、
私が一番落ちこんでいた時に一晩中私の側に寄り添って話をしてくれた看護婦さんを見つけました。



私に背を向けて仕事していた彼女にそっと近寄って行って、



「Hi !  How are you ?」



と言って声をかけると、
振り返った彼女は私が誰だかわからなかったようで、怪訝な顔をしました。



そりゃ、そうだよなぁ。 
あの時は頭は包帯でグルグルだったし、
患者服だったし、
寝転んでただけだったし、
死にそうだったし、
それになんてったってすっぴんだったし、
誰だかわからないよねぇと思った私は、



「私よ! 私!」



と言いながら、髪の毛を分けて傷口を彼女に見せました。



その瞬間、



「Oh my god !!  Unbelievable !! 
 ぜんぜんわからなかった。 ほんとにあなたなの?」



と、超驚かれました。



そして私の体の調子を尋ねた後、



「ほんとの事言うとね。 まさかこんなに元気になるって思ってなかったの… 
 ほんと信じられない。 
 ここってね、ほらね、あんまり元気になる人って少ないじゃない? 
 だからね、こうやって来てくれてとっても嬉しいわ」



と言いながら、みるみる目が潤んできて涙が溢れてきました。



まさかこんなに喜んでくれると思っていなかった私も、
ついついつられて感動して涙ぐんでしまいました。



彼女は自分にも子供がいるので、
私が子供に会えない辛さがわかるから何とか力になってあげたいと思っていたらしいです。



感動の対面をすませた後、
彼女が他の看護婦&看護士を呼んで来てくれて、
皆が次々に挨拶に来てくれました。



何だか家族の元に里帰りしたような、
とっても和やかな時間を過ごす事ができて、
今日ここに来て良かったと心からそう思いました。





終わり。





ホッとしたー。 ようやく終わったー。 長かったー。
とりあえず最後まで書けて良かったー。

最後まで読んで下さった方々、感謝です!

これで取りあえずICU体験記は終わりましたが、
次もまたICUが出てきちゃいます。(私も好きねー)

次回はこの病院で知り合った日本人ドクターを通して知り合ったある日本人夫婦の話を書きます。

また長くなっちゃったらどーしよー。

更新もとろいのに、話が長いとそれまでの話の流れを忘れちゃいますよねぇ。


来週からまた忙しくなるので、
どれくらいの頻度で更新できるかわかりませんが、
皆さんのコメントや応援クリックでやる気が出るのでよろしくお願いしまーす。



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Comment
この記事へのコメント
一番ゲットですw遊びに来たら記事更新してたので拝見しました。日本人夫婦の話…気になりますね~♪応援ポチッ
2008/ 05/ 10 (土) 01: 53: 00 | URL | アメリカ留学 # 79D/WHSg[ 編集 ]
また拝見させていただきました。
応援ポチッ!
2008/ 05/ 10 (土) 12: 31: 00 | URL | サトシ # 79D/WHSg[ 編集 ]
アメリカ留学さん、さっそくのコメント&応援クリックありがとうございます!
一息ついたら今度から日本人夫婦の話を書き始めますので、またぜひ遊びに来て下さいね~。
2008/ 05/ 10 (土) 13: 30: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
サトシさんのブログ見せていただいてびっくり!そちらのブログのほうにコメント書こうと思ったんですが、コメントを書く欄が見つからなかったのでこっちに書きますが、サトシさんも株やってらっしゃるんですね!実は私もデイトレーダーなんですよ。メインはアメリカ株なんですが、最近勉強を兼ねて日本株もデイトレ始めました。とはいっても日本株はまだ勉強中なので、小額での取引のみですが。問題はアメリカ株と日本株の両方をやると、一日中パソコンの前に張り続けになっちゃうんですよね。アメリカ株から始めた私はまだまだ日本株の取引に戸惑うこと多いですが、それはそれで面白いです。ちなみに私のハンドルネームである「ukainou」なんですが、今回のサブプライムにはかなりやられちゃって、その様がまるで一生懸命魚を捕まえて飲み込んでお腹に蓄えてたのに、いきなり船の上に引っ張り上げられて、せっかく捕まえた獲物を一気にゲボッって吐き出さされて、また海に放たれて獲物を捕まえてもまたゲボッと吐き出さされてる状態がまるで私みたいって思ってつけたんです。(笑) また機会があれば株の話をしてみたいです。サトシさんのブログ、これからの株取引の参考にさせていただきますね!
2008/ 05/ 10 (土) 13: 45: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
追伸
「ukainou 」=「鵜飼いの鵜」です。
2008/ 05/ 10 (土) 13: 50: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
う~ん、ここでも訴訟っていう話が出てくるんですね(笑)
怖いですね、アメリカ…(>_<)
でも、病院でみなさんと感動の対面ができてよかったですよね♪
以前の記事から嫌な看護婦ばかりのイメージがありましたけど(^^;
次の更新も楽しみにしてますね♪

2008/ 05/ 10 (土) 21: 06: 00 | URL | harihari # 79D/WHSg[ 編集 ]
harihariさん、ほんと訴訟問題は大きいですよ。
プロフェッショナルな人たちはちょっとした発言で訴訟対象になることがわかってるので、言葉選びは慎重になります。検診の時のドクターも「現在の私の体調に関する話はできるけど、私がやった手術内容に関しての話はルール上一切できないので、もし何か手術に関する質問があるなら手術を行ったドクターとアポを取って直接話して下さい」とのことでした。多分自分がやったわけでもない手術の話をして、余計な事言っちゃうと後で問題になるからでしょうね。
アメリカでは仕事の面接の時も年齢や結婚暦など日本では当たり前に聞いてる事もルール上聞いてはいけないですし、ややこしいですね。でも初めて会って5分以内に人の年齢を聞いたり、その人自身じゃなくて、年齢で区別しがちな日本人の癖もよくないとは思いますが。
でもまぁ、言わなくても良い事までボロボロ言っちゃうことが多い私も口で失敗するタイプなので特に気をつけないと… 
2008/ 05/ 11 (日) 01: 37: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
今、自分で気がついたけど、私ってブログだけじゃなくて、コメントまで長文やなー。
読みにくーい。(^^;)

あ、それから皆さんの応援クリックのおかげでようやく念願の25以内に入りました!!
どうもありがとうございます!!
これからもよろしくお願いしまーす。
2008/ 05/ 11 (日) 01: 45: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
夜遅くにごめんなさい、少しヒマがあったので遊びに来ちゃいました♪日曜の夜なのでもう寝てると思いますが…w
また明日時間を作って遊びに来ますね、おやすみなさい。
2008/ 05/ 12 (月) 00: 39: 00 | URL | アメリカ留学 # 79D/WHSg[ 編集 ]
こっちは日曜の朝ですよー。(^^)
2008/ 05/ 12 (月) 00: 43: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
初めまして。coconaと申します。NYで ICUナースとして働いています。 専門は脳外科です。主にくも膜下出血の患者さんを看護しております。ukainounycさんの ICU体験を読んで、とても参考になりました。特に喉の渇きと、「Aランク、Bランクのナース」!私も患者さんや患者さんの家族にランクを付けられているのでしょうね!喉の渇きはオペ後、患者さんが主に訴える事です。しかし、麻酔が効いているので、意識があっても体の内部はまだ起きていない事が多く、特に胃腸系は一番起きるのが遅いので、水分をあげる事は出来ないのです。もし、クモ膜下出血のオペ後に、嘔吐などしたら、脳圧が上がり、再出血の恐れがあるからです。しかし、私はドクターに確認し、腸の動きを確認した後、小さい氷のかけらを2、3個あげます。(氷は口の中で溶けるので、胃にはいかないのです。)そうすると、喉の渇きが和らぐそうです。そして、唇にバセリンを塗ると、ほとんどの患者さんが喉の渇きを訴える事はなく、朝まで寝る事が多いです。私がukainounycのナースだったら、そうしてあげたのに~、、と、読んでいて思いました。私もブログを書いています。よかったら、読んでみて下さい
http://cocona88@blogspot.com
2008/ 10/ 13 (月) 09: 25: 00 | URL | 初めまして # 79D/WHSg[ 編集 ]
coconaさん、コメントありがとうございます!
さっそくcoconaさんのブログ拝見させていただきました。
ところでコメントに記入されていたアドレスにドットが抜けていたようで飛ぶことができませんでした。
検索で見つけましたので念の為に下に貼り付けておきますね。
coconaさんのブログのアドレス
     ↓
http://cocona88.blogspot.com/

coconaさんはICUでナース、それも専門が脳外科でくも膜下出血の患者さんを看護してるなんて、興味津々でさっそく全部読んじゃいました! 
私がブログの中で書いていたBランク看護婦って、coconaさんのブログの中に出てきてたナースアシスタントのことだったのかもしれません(仕事しなかったり聞こえない振りしたりするところがそっくり!)
Bランク看護婦はAランク看護婦とユニフォームも違ったし、専門的な事はしていなくて、アシスタント的な仕事ばかりしていました。

文字数オーバーの為続く。
2008/ 10/ 13 (月) 10: 51: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
続き。

実は以前にもニューヨークでナースをやってらっしゃる方からコメント貰ったことがあるんですよ。
その方もブログをされていました。
何だか日本人の看護婦が結構このNYにいるんだってわかって嬉しくなりました。
実は入院中に看護婦に苛められたトラウマから、老後は絶対日本で暮らしたいって思うようになってるんですよ。
以前コメントいただいた方やcoconaさんのような看護婦さんが一人でも多くこのNYに増えたらいいなぁって願ってます。
もっともっと話したいことがありますが、これからも頑張って下さいね!
2008/ 10/ 13 (月) 10: 52: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
ukainounycさん、具合はどうですか?病院ではトラウマになる位嫌な目にあったのです。本当嫌な人達です!Aランク、Bランクナースと言う言葉を見ると切なくなります。ランクなどなく、皆、患者さんに優しくなれたらいいのにな、、と、思いました。患者さんにランクを付けられるナースなんてナースではないですよね。Aランクになったとしても、BランクがいるからAであって、AもBもランクなどない方がいいですね。ブログのアドレス違っていましたね、、。
2008/ 10/ 14 (火) 11: 43: 00 | URL | cocona # 79D/WHSg[ 編集 ]
coconaさん、実はつ2.3週間前、昼間についうたた寝しそうになった瞬間に(眠りにつく瞬間くらい)、あの時と同じように頭がガンって痛くなって驚いて飛び起きたことがあるんです。
目覚めた瞬間、またくも膜下出血になったのかと思って、またあの嫌な事が始まるのかと、いろんな場面がフラッシュバックしたんですが、目が完全に覚めたら痛みも無くなっていて、さっきのは夢だったのか現実だったのかまったくわかりませんでした。
しばらくそのまま様子みたんですが、その後何も体に変化が起きなかったので、夢だったんだとわかりましたが、あまりにも生々しい感覚だったので、実は未だに本当に夢だったのかどうかあやふやな感じなんですよ。
これってもしかしてフラッシュバックなんでしょうか?

それにしてもほんとに生々しい現実に起きたような感覚でした。
そのおかげでくも膜下出血になった瞬間の感覚が鮮明に思い出しました。その日以来、やっぱり私は長生きしないんじゃないかって思うようになってます。
突然死んじゃう前にほんとはもっと書きたいことがあるのに…

ってちょっと暗くなっちゃいましたが、そんな夢を見た以外は何も問題なく元気にやってますよ!
2008/ 10/ 14 (火) 14: 55: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
ukainoinycさん、血圧を測るようにしたら良いのではないかと思います。くも膜下出血になる方は、高血圧の方が多いそうです。いつも自分はどの位の血圧か分かるとよいと思います。血圧計はアメリカのドラッグストアーで売っています。値段はまちまちですが、そんなに高くなかったと思います。今度頭が痛くなった時にはかってみると良いです。計る前には必ず、3回深呼吸して下さいね。でないと、緊張して高くなる可能性があるので!「長生きしないかも、、」と言う不安は分かります。しかし、クモ膜下出血がおこっても今は問題なく生活しているのです!「生命力がある!」と、自分に自信を持つようにしたら良いと思います!私も健康面では不安もあります。しかし、「病は気から」と、いいますので、健康面には気をつけますが、あまり考えないようにしています。お互い頑張りましょう~~~。
2008/ 10/ 16 (木) 12: 04: 00 | URL | cocona # 79D/WHSg[ 編集 ]
coconaさん、血圧計、良いですね!さすが看護婦さん!!
思いつきもしませんでした。
私の平均の血圧もぜんぜん知らないくらいです。
ドラッグストアーで売ってるんですねぇ。
そんなに簡単に手に入るとはしりませんでした。
今度探してみます。

アドバイスありがとうございました!!
2008/ 10/ 16 (木) 21: 20: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
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