ニューヨーク生活20年で経験してきた様々な実話集。 好きだから別れるしかなかった。そして別れてから始めて気づく事。新連載スタート。
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ボランティアとは?Part.6 「最終話」
2008年 05月 29日 (木) 20:37 | 編集


私より先に支払いを済ませて席についてるA子さんを尻目に、
落胆した気持ちでレジで支払いを済ませ、
A子さんが座ってる席に向かいました。



それでも一応理性は残っていたので、
落胆を彼女に悟られてはいけないと思い、
作り笑顔で彼女と会話しながら食事しました。



でも頭の中では、子供の頃よく母と母の知り合いとの間で繰り広げられていたある光景が浮かんでいました。




知り合い 「これでお子さんに何か買ってあげて下さい」 (又は品物)


    母 「そんな、気を使わないで下さい! その気持ちだけで十分です!」


知り合い 「いえいえ、私の気持ちなんで!」


(お互いだんだん声が大きくなる)


    母 「いえいえ、そんなの困ります!」


知り合い 「いえいえ、そんなことおっしゃらずにぜひ受け取って下さい!」

  


数回そのお金(又は品物)が母と知り合いの間を行ったり来たりした後、
最終的には側にいた私が呼ばれ、



知り合い 「これで何か好きなの買ってね!!」



と言って無理やり私に握らせ、そのバトルは終焉する…




という光景を思い出していました。



あの頃は何で大人ってそんな面倒臭い事をするのか不思議でしたが、
品物を渡すほうはそれで感謝の気持ちを表そうとし、
受け取るほうはそれを断ることによって見返りを期待している訳じゃないと表す。



A子さんと食事をしながら、
そんな日本独特のコミュニケーションが懐かしいなぁと思ってました。

(品物が何度も行ったり来たりするのはちょっとやりすぎだと思いますが)



もちろん私も気持ちの問題であって、
何かが欲しかったわけでも、奢って欲しかった訳でもないです。



そんなこんなで上の空でA子さんと会話をしたので、
彼女と何をしゃべったのかまったく覚えてませんが、
あの日を境に急激にやる気が無くなってしまったのは確かです…



どっちにしろA子さんが来たので私が病院に行く必要は特にないし、
もし何かヘルプが必要だったらその時に行けばいいやと思い、
次の日から病院に行かなくなりました。




それから数日たったある日、
それまでまったく連絡が無かったA子さんから突然電話がありました。



A子さんは多分私に対して何とも思ってはいないと思いますが、
病院に行かなくなったことで、
多少罪悪感を感じていた私は気まずい思いで電話を取りました。




「もしもし、A子です。 ukainouさんですか?」




「はい、そうです。 
 ここのところちょっと忙しくて病院に行けなくてごめんなさい。
 おじいさんの具合はあれからどうですか?」




「実はその事で電話したんですが…」




「昨日急に容態が変わって…」








「そのまま亡くなったんです…」







えええっ!!???







あまりの驚きに何て声をかけたらいいのかわからなくて、
言葉が出ませんでした…





「そうなんですか…」





と言いながら頭の中で、





亡くなっちゃったんだ…

ということは結局おじいさんはあの後、
一度も意識を取り戻すことなく亡くなってしまったってことだよね…

最後のお別れもできないまま、
おばあさんはおじいさんと永遠の別れになってしまったってことだよね…

ということはA子さんも最後のお別れができなかったってことだよね…

一度は病院食が食べれるほど元気になったっていうのに、
まさか亡くなってしまうとは…

病院側の陰謀もあるの?





と、ぐるぐるといろんな思いが駆け巡りました。





そしてすっかりやる気がなくなって病院に行っていなかった事も後悔し始め、


A子さんに、





「ただでさえ大変な事なのに、
 外国でいろんな手続きとかいろいろ大変でしょうから、
 何か私でできることがあれば何でもお手伝いしますので、
 遠慮せずに言って下さい!」





と、彼女に言うと、




「あ、その件に関しては大丈夫です。
 亡くなってすぐに日本領事館に電話して、
 火葬の手配や飛行機の手配、必要書類の手配など全部やってもらいました」






さすが、A子さん、ぬかりはない!






この人って仕事させたら結構できるタイプなのかも。
私より完全上行ってるなー。



それにしても領事館の人達が火葬の手配とか、
その他の手続きも代わりにやってくれると知らなかった私は、




「領事館の人達がそういうこともやってくれることがあるんですね。
 ぜんぜん知りませんでした」




と言うと、




A子がさんがすかさず一言、





「それが彼らの仕事ですからね」






出たー!! A子節!!






ここまで来ると次はどんな言葉が出てくるのか半ば楽しみになっていました。





おじいさんが亡くなっていろいろ大変だとは思いましたが、
このA子さんがいれば私がしゃしゃり出なくても大丈夫だろうと判断して、
何かヘルプが必要になったら連絡をいれてもらうってことにしました。




それから2,3日経ってA子さんから電話があり、




「すべて片付いたので、明日ブラジルに帰ることになりました。
 ukainouさんにはいろいろお世話様になりました。
 ありがとうございました
。」





と初めて感謝の言葉を言ってくれました。



たった一言だったけど、
ただのお決まりの別れの挨拶っぽい言い方ではあったけど、
それでもその一言で気持ちが救われたような気がしました。



すぐ調子にのる私は、



今は二人ともこんな時だし、
自分達のことだけで精一杯で周りが見えてなかっただけなのよ!!

どんな形であれ、縁あって知り合ったんだし、
国に帰って落ち着いたら、
絵葉書の一枚でも送ってきてくれるんじゃないかな~



と思いながら、







すでに数年経っています…








おい! やっぱ、なしのつぶてかよーーー!!??





一瞬でも期待した私が馬鹿でした…



こんな欲深い私には、
やっぱり崇高なボランティアは無理ですわ~~。





チャンチャン











「ボランティアとは?」を最後まで読んで下さってありがとうございます。

今回病院での陰謀説に関して少し書きたい事があったんですが、
話が脱線してしまいそうだったので、
次回この事だけちょこっと書きます。




ボランティアとは?「追記」へ行く





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Comment
この記事へのコメント
ほんと、A子、非常識もいいところ。ところで、ukainouさん、ご存知のとおり、私は、日本国内のみならず、途上国はじめ、無償ボランティア歴(経費ももらわず)、20年。しかし、もし、私が、A子のような人間にボランティア活動中に会ったら、正直な自分の気持ちを伝えます、人間としてのありかた、何かを気がつかせてあげることも、さらに立派なボランティアだと思います。まあ、A子のような人には通用しないかもしれませんが。私のボランティアと、ukainouさんの、この経験とは、また種類が異なりますが、ukainouさん、経費は、もらうべきでしたよ!それにしても、おじいさん、亡くなってしまったんですね、まさかの展開でした。ご冥福をお祈り申し上げます。
A子も、異国で、想像もしていなかっただけに、気のどくだとは思いますが、いかなる場合でも、常識だけは忘れてはいけないと思います。いつか、生きている過程で、気がついてくれればいいのですが・・・
2008/ 06/ 01 (日) 01: 20: 00 | URL | CHIE # 79D/WHSg[ 編集 ]
20年のボランティア歴ですかー。すごいですねぇ。
そのChieさんが言うんだから、たとえ無償のボランティアであっても、感謝の気持ちを期待してしまうことは間違ってないってことですよね?ここのところがボランティア初心者の私には曖昧でよくわからなかったんです。もちろんボランティアする相手が子供だったり、動物だったりしたら感謝なんて始めっから期待しないでしょうが…

文字数オーバーって出たので分けて送信します。
2008/ 06/ 01 (日) 04: 27: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
続き。
そういえば私が住んでるアパートの周辺に野良猫が増えて、動物好きな人達が餌をあげてたんですが、その結果どんどん子供を産んでしまって数が増えすぎて問題になったんですよ。
そうなると「もう餌をあげるな!保健所に駆除してもらう!」という反対派が現れて、このままだと保健所に連れて行かれてしまうってことで、困った保護派の人達が協力して苦労して野良猫たちを全部保護して、集めたお金で去勢手術をして、できる限り引き取り手を捜し、結局引き取り手が見つからなかった猫だけを元の場所に放したんですが(これだともう数は増えないからOKだってことで)、猫の立場からしたらいきなり捕まえられて折に閉じ込められ怖い思いはするわ、お腹を切られて痛い思いはするわで、とんでもない目にあっちまったぜーって思ってるだけで、まーーーーったく感謝なんてしてないのはあきらかだけど、それでも野良猫たちの為にあそこまで頑張ってた保護派の人達ってすごいなぁって尊敬しました。 私も保健所に連れて行かれるのは可哀想だとは思いましたが、なかなかそこまで行動できないもんで。実際そうやって行動を起こせるボランティア精神のある人達はすごいです。 
2008/ 06/ 01 (日) 04: 27: 00 | URL | ukainounyc # 79D/WHSg[ 編集 ]
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